3Dプリンタ:Apple Macintosh Classicを作る
先週fusion360の使い方を教えて頂いたので
何か作ってみようということで
(あ、今回はあくまでガワだけ)
理由としては3つ
・主に長方形で構成されており初心者でも楽そう
・最近STEVESを読んで感銘をうけた
・このモデルを元にOLEDを埋め込んで使いたい(Future Work)
準備
設計図を作る
まず始めに設計図を作った
その場のフィーリングで作ってもいいんだろうけど
初心者のためフィーリングが信じられないし
後から変更点がある場合も辺の長さを決めておけば
「1/3の長さにしよう」
「狭すぎたから2倍にしよう」
とかが分かりやすいし
いちいちモデルのサイズ自体を確認しなくてもすむ
ちなみに今回作りたいものはこちら
そしてざっくり設計図はこんな感じ
実際には作成しながら加筆したりしているので
準備段階では左側の前面と下のサイズ感くらいを決めておいた
(※できあがりではディスプレイ周りのサイズが2倍になってる)
基本的に長方形で構成されているので
方眼のメモ帳などを使うといいかと思う
(100均で100枚位入で売っているのでおすすめ)
3Dモデル作成
全体的な形をつくる
設計図を作ったところでさっそく3Dモデルを作っていく
今回はAutoDesk社が提供しているfusion360を使う
(というかこれしか使えない)
まずは全体の形を作る
fusion360の簡単な流れとしては
① 2次元的に形を決める(スケッチを作る)
② ①を3次元方向に「押し出して」立体を作る(押出し)
実際にやってみると
この様に2次元的にX・Y軸で形を決める(①)
そして先ほど作った面から上に37.30mm押し出して立体にする(②)
という様な感じ
続いて
ある一部分を削ったりしていき形を整えていく
今度はできたボディの1面を基準にして
新たにスケッチを作る
また作ったスケッチを押し出していくが
先ほどとは違い押出した分を削っていく
(赤い部分が削られる)
この様な形で下の部分が削られている
これを繰り返していくことで
自分の好きな形にしていくことができるよう
次はFDを入れる部分も同じように
スケッチ→押出し、の流れで作っていく
FD部分は3箇所のスケッチで作成した
次は背面に移り
mac classicの背面部の持ち手を作っていく
持ち手として使う部分を
背面の面を基準としてスケッチで作成
また持ち手の下の空洞となる部分も
持ち手として作ったスケッチを基準として作成
押し出して形を整えていく
空洞部分を28.30mm
持ち手部分を18.30mm
とすることで10.00mm分を持ち手分とした
できたものがこちら
続いて三角に削られた角の部分を作っていく
ここでは「長方形」ではなく「直線」を選択
「直線」を角に合わせて3辺分引く
ことで三角形のスケッチを作成する
角に合わせて2本直線を引き
最後にその2辺の端を繋ぐように直線を引くことで
三角形を作った
(8mm x 5mmの2辺と斜線からなる垂直三角形)
これも押し出して削る
こんな感じになる
あとは背面の端子などが接続されている部分を
いい感じにけずって整える
出来たものがこちら
ここまでは以下の動作だけで可能
- 長方形のスケッチ作成
- 直線のスケッチ作成
- 押出しによる立体の作成
- 押し出しによる立体の削り
- +(スケッチの移動)
ということでとても簡単にできた
※実はスケッチの移動が意外と一番面倒くさいかもしれない
ディスプレイ部を作る
まだ肝心のディスプレイの部分ができていない!
ということで作っていく
作りたいディスプレイ部を横から見たものがこちら
この様に台形の様な形になっている
ということでそれを実現するために
ここでは「ロフト」という機能を使っていく
ロフトとは「押出しの進化版」の様なもの
今までは
①スケッチ作成
②押出し
という工程で「直方体」を作ってきた
一方、ロフトでは
①スケッチ1作成
②スケッチ2作成
③スケッチ1とスケッチ2を面として立体を作成
というか、下の説明を見るのが分かりやすい
青いところがスケッチ1とスケッチ2を表していて
それらを繋ぐように立体にしてくれる
ということでスケッチ1の部分を作っていく
スケッチ2を作る時に奥行きをつくるため
オフセット平面という機能で仮想的な面を作る
横から見るとこんな感じ
それを少しワキにずらしてスケッチを作成したものがこちら
見辛いがスケッチ1よりも少し小さいスケッチを作成している
スケッチ1: 15.00mm x 23.30mm
スケッチ2: 13.00mm x 21.30mm
上記作成した2つのスケッチをロフトで立体にするとこんか感じ
※スケッチ1はワキにずらして位置を調整している
ロフトで作成した立体をディスプレイとしたい部分へ移動させる
そしたらこれらを「結合」の機能を使って
本体の方から ディスプレイ部分を削り出す
するとこの様な感じで傾斜がきいた感じでくり抜くことができた
ということで全体像としては完成!
仕上げ
ここまでで全体像ができたのでここから
角の部分を削ったりして触り心地とかの
ディテールの部分の作業に入っていく
※ディスプレイ部のところを後からやり直したので
時間軸が変ですがそこはご愛嬌ということで
面取り
まずは面取りからやっていく
面取りとは何かはBeforeAfterをみてもらうのが手っ取り早い
Before
After
おわかりいただけただろうか
この様に角をとることを面取りといういうとのこと
フィレット
面取りだけでは結局角があるじゃん!
という声にお答えして「フィレット」という機能がある
これもBeforeAfterでご覧頂く
Before
After
こんな感じで角を丸めますよ−という機能が
フィレットと呼ばれる機能だとのこと
FD部分をフィレットでいい感じにしてみる
この様に手でFDを取る時にも
取り出しやすく・入れやすい様な形にすることができる
(ちなみに筆者の職場ではFDが現役で稼働中)
完成
出来上がったのがこちら!
実際作ったものがこちら
ブラウザからも3Dでグリグリ見られるようなので良かったらぜひ
(※スマホからは見られないような気がする)
3Dプリンターで作ったものを印刷
3Dモデルを作るだけでは飽き足らず
実際に出力までしたいと思い
今回はFabLab SENDAI FLATさんの3Dプリンタをお借りした
プリントする際、どの面を下にして出力するべきかを
先生にご指導いただき背面部をベース(下)として出力した
層の設定(Quality)をStandardで0.2mm
直方体内部の密度(Infill)を3%
ラフト・サポートは無しの設定にした
MakerBotで試算すると48分ほど、とのこと
黙々と出力されていく
大分できてきた
完成!
うぉぉぉ!!
俺が3Dで作ったやつだ!
試算よりも少し早く完成
実際には38分だった
前面部分
ディスプレイのところにはいい感じに傾斜がついていて
ロフトの感じがいい感じにでてくれている
FDのところはフィレットがあまり効いていない
先生によると
「1層が0.2mmなのでそれ以下のフィレットなどは効かなくなってしまう」
とのこと
層の方向に対して逆に(垂直に)なるようにすればフィレットなどのディテールも
いい感じになるとのことなので今後の参考にしていきたい
背面部
ベースとしたところはすこし荒くなっているなー
という印象
あと、分かり辛いが下窪みのところの面が歪んでしまっている
これもこの面をベースにして作成したことによるもの
層を積み上げていく時に橋を渡すことになってしまう
ためどうしても真ん中辺りで撓みが出てしまっている
側面
右側はいい感じだが
左側の面がいびつな感じに、コレもこの面がベースで
基礎となる部分が細すぎたことによるものかと思う
上面
角の切り出しと持ち手がいい感じにできてるので満足!
自分で作ったものを実際に印刷して触れるというのは本当に楽しい
これからも色々ものを作っていきたいと改めて感じた
ちなみに今回かかった費用としては500円
FabLab SENDAIさんでは3Dプリンタ使用料 500円/時間
しかも材料費も込みということで本当に良心的だ・・・
はんぱねぇ
Future Work
さて3Dプリンタで出力まではできた
次は128x64なOLEDをmac classicに入れるための
モデルをつくることにしていきたい
ちなみに今回のモデルをそのまま流用できるよう
ディスプレイのサイズは既にOLEDに合わせてある
なのであとはどうやってコレを組み込んでいくかを考えて
3Dモデルを作っていくこととする
ではまた
References
Special Thanks
Fusion360
Fusion360 日本語解説
Fusion360 BASE
http://fusion360.3dworks.co.jp/
Mac Classic
3D Loves Mac – Nano Mac #3DlovesMac #3DPrinting #3DThursday
https://blog.adafruit.com/2014/08/28/nano-3dp/
Apple Watch Charging Dock - Classic Mac
https://www.3dprintmakers.com/shop/3d-printed-fashion/item/apple-watch-charging-dock-classic-mac